The Story

丸山 稜介

丸山 稜介

兵庫県明石市出身

私が絵を描き始めたきっかけは、

毎週、父が買ってきてくれた「少年ジャンプ」でした。

ページをめくるたびに、そこには現実とは違う広い世界がありました。
毎週、まだ見たことのない世界を冒険するような気持ちで、夢中になって読んでいました。

やがて私は、ただ物語を読むだけではなく、
「自分もこんな広い世界を描いてみたい」
と思うようになりました。

それが、私にとっての絵の始まりです。

けれど、私は絵が誰よりも下手でした。

近所の友達とそれぞれ漫画を描いて見せ合ったこともありましたが、私はあまりに下手で、みんなに馬鹿にされました。

その頃から、私は自分の絵を人に見せるのが怖くなっていきました。

ここでは、そんな私が“GemArt”を生み出すまでの軌跡を、
作品とともにご紹介します。

左手で描くことで、見えた新しい世界

絵が下手だった私は、どうすれば上達できるのかを必死に考えていました。

ある日、「左利きの人は芸術的な感性が高い」と聞き、思い切って左手で絵を描く練習を始めました。

最初は思うように線が引けませんでした。
それでも続けていくうちに、次第に“右手では生まれなかった自由な線”が描けるようになっていきました。

不器用な線の中に、少しずつ自分だけの感覚が宿りはじめたのです。

この時期の試行錯誤が、今の「Gem Art」の原点になっています。

左手で描いた絵 1 左手で描いた絵 2 左手で描いた絵 3

デジタルへの挑戦

左手で感覚を磨いた後、私はデジタルでの制作に挑戦しました。

最初は、アナログのような“手の感触”がなく、思うように描けず戸惑いました。

しかし続けていくうちに、デジタルならではの光や質感、色の重なりに魅了されていきました。

この時期は、漫画的な構成や陰影の研究にも力を入れていました。
絵の中に物語を感じさせること。
見る人の心に、何かが残る表現を目指すこと。

今の私の作品にある“アートと物語の融合”は、この頃から少しずつ形になっていきました。

デジタルで描いた絵 1 デジタルで描いた絵 2 デジタルで描いた絵 3 デジタルで描いた絵 4

色彩との出会い

私は長い間、色を塗ることが苦手でした。
思い通りの色が出せず、線画のまま終わってしまうことも多くありました。

けれど、試行錯誤を重ねるうちに、色の中に「感情」や「温度」があることに気づきました。

明るい色には希望があり、深い色には静けさがある。
同じ形でも、色が変わるだけで、まったく違う印象になる。

その発見から、私の表現の幅は大きく広がっていきました。
より自由で抽象的な表現も芽生え、形にとらわれないアートへと進化していきました。

この頃、漫画の持ち込みにも挑戦し、「構成はまだ荒削りだが、絵とアイデアは素晴らしい」と評価していただいたことが、次の創作への大きな励みとなりました。

色彩の絵 1 色彩の絵 2 色彩の絵 3

色の変わるアートとの出会い

SNSを見れば、私より上手い人がいくらでもいて、自分の絵に自信を失いかけたこともあります。
——それなら、自分にしかできない表現を作ろう。
そう決意した矢先、偶然、見る角度によって絵柄が変わるカードを目にしました。

それは、レンチキュラーと呼ばれる技術を使ったものでした。
「この仕組みを、自分の絵に応用できないか?」
そこから独学で研究を重ね、何度も試作を繰り返しました。

印刷、レンズ、角度、色の変化。思うようにいかないことばかりでした。
それでも諦めずに続ける中で、ついに自分のアートとレンチキュラーの技術を融合させることに成功しました。
私の絵が初めて、見る角度によって色を変えた瞬間。

その感動を、今でも忘れません。

Gemシリーズ

Concept:Art = Gem
アートは宝石。

宝石は、長い年月を経て、地層の圧力の中から生まれる結晶です。

アートもまた、作家の人生という地層から凝縮されて生まれる、もう一つの“宝石”だと私は考えています。

苦しみ、迷い、憧れ、願い。
そうした感情が積み重なり、ひとつの作品として結晶になる。

私は、光の角度によって色が変わるレンチキュラーの特性を生かし、宝石の輝きそのものをアートで表現したいと思うようになりました。

作品名は「〇〇 Gem」という形で統一しています。

ひとつひとつの作品は、私の人生から生まれた結晶であり、見る人の心の中でも違う輝きを放つ存在であってほしい。

それが、Gemシリーズに込めた想いです。

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